ワゴンRは車中泊に不向き?快適に過ごす改造方法やおすすめグッズを紹介!

エコブームのおかげで大人気となっている軽自動車、その軽自動車の中心的なモデルといいますか、人気をけん引していっているモデルが軽トールワゴンのワゴンRです。

軽ハッチバックセダンよりも全高が高いことでキャビン空間を広く使えるのが最大のメリットですが、だからといって車中泊をするのに使えるほどの車なのでしょうか?

検証してみましょう。

ワゴンRの特徴や主な仕様を解説

車中泊ができるか否かを語る前にワゴンRという車がどういう車なのかを復習しておきます。

ワゴンRはスズキが発売する軽トールワゴンのカテゴリーに属するモデルです。

初代モデルは1995年に発売され、「狭い」「荷物が載らない」「走らない」といったそれまでの軽自動車にあったデメリットをある程度スポイルしたことで一躍大ヒットモデルとなりました。

このモデルに発売によって「軽トールワゴン」というカテゴリーが作られ、そしてダイハツからもムーヴがライバル車として発売されるようになったという軽自動車界の歴史の1コマを作ったモデルといえるでしょう。

車の作りから見ると初代モデルから3代目モデルまでは当時発売されていったアルトのプラットフォームを流用し、それに全高の高いボディを組み合わせるような形で作られていたことから、

  • 車高が高くなったことによる弊害
  • コーナーリング中の過大なロール
  • 横風の影響を受けやすい
  • 安定性の無さ
  • 高速走行時の空気抵抗の増大

などが顕著に出ていましたが、4代目モデルからはワゴンRをメインとして考えられたプラットフォームが与えられるようになったことからそういった部分が改善されるようになりました。

4代目モデルが発売されて以降、スズキの軽自動車の基本モデルとなるものがアルトからこのワゴンRに変更され、逆にアルトやパレット(元スペーシア)、ハスラーなどがワゴンRのプラットフォームを流用する形を取るようになりました。

2019年現在で発売されているのは2017年に販売開始された6代目モデルMH35S系モデルで、廉価グレード以外のグレードにS-エネチャージの進化版である簡易型ハイブリッドシステム、マイルドハイブリッドが与えられ、優れた燃費性能を発揮するエコカーとしての扱いも受けています。

エンジンは、スズキの軽自動車の主力エンジンとなるR06A型エンジンで、ワゴンRにはNAエンジンが、ドレスアップモデルのワゴンRスティングレーの一部のグレードにはターボエンジンが採用されています。

ワゴンRのFAグレード以外はすべてマイルドハイブリッドを搭載したハイブリッドモデルとなっています。

トランスミッションは、CVTが採用されていますが廉価グレードのFAグレードだけに5速マニュアルトランスミッションも用意されています。

サスペンション構造はフロントにマクファーソンストラットの独立懸架、リヤにトレーリング式の進化版であるアイソレーテッド・トレーリング・リンクと呼ばれるスズキオリジナルのリジットサスペンションが採用されています。

ワゴンRは、カテゴリー的に一般の乗用モデル、軽トールワゴンとして発売されているモデルですが、軽スーパーハイトワゴンであるスペーシアと同じプラットフォームで、室内寸法の数字としてはスペーシアのそれよりも大きい数字が出ていますので、車中泊をするのもそれほど苦ではなさそうですが、実際にはどうなのかという点をこの後見ていきたいと思います。

ワゴンRで車中泊する前に知っておくべき注意点

スズキの軽スーパーハイトワゴンであるスペーシアと同じプラットフォームを使い、ホイールベースも全く同じということから、スペーシアで車中泊がそこそこできるのであれば、軽トールワゴンにカテゴライズされているワゴンRでもそれなりの車中泊環境が作れるのではないか…ということになりそうですが、車中泊が絶対にできないということまで言えないもののやはり他の軽自動車同様にかなりの制約がある上での車中泊となりそうです。

数字ほどキャビンは広くはない

スズキが公式に発表しているワゴンRの室内寸法は…

  • 室内長:2450mm
  • 室内幅:1355mm
  • 室内高:1265mm

とされています。

室内幅は、軽自動車規格の全幅を満たすギリギリの室内幅寸法ですのでこれはどうすることもできないので良しとします。

それから室内高もこれで室内高が低いと思うのであればワゴンRではなくスペーシアを購入するべきで、今さらガタガタ言っても仕方がないことですのでこれも良しとします。

注目すべきは室内長です。

2450mmという室内長は、軽スーパーハイトワゴンのスペーシアよりもホンダのN-BOXよりもダイハツのタントよりもウェイクよりも長い寸法で、それらの車より室内が広いということを表していますが、この寸法は既定の測り方で計った寸法で、ワゴンRではフロントウィンドウとダッシュボードがぶつかったところからラゲッジスペースを含めたリヤハッチゲートの内側までの寸法となります。

要するに実際に車中泊をした時に居住スペース、ベッドスペースとして使われない部分、ダッシュボードの奥行まで室内長に含まれているということです。

ダッシュボードの奥行を含めたフロントウィンドウの下端からステアリングホイールまで距離はざっと見ても50センチ以上ありますので、実際の室内長は2000mmを切る形となり、軽スーパーハイトワゴンとして販売されているモデルよりも明らかに短くなっていることになります。

軽自動車における車中泊では室内長がある意味で実質的なベッドスペースの面積を決めるようなところがあるわけですから、それが公表されている寸法よりかなり短くなるという点は見過ごしてはいけません。

ただ、日本人の平均身長からすれば極端に身長が大きな方でない限り、しっかりと足を延ばして寝ることはできるでしょう。

一方、幅に関することですが、軽自動車であることから室内幅はおのずと限界あります。

ワゴンRの実際の室内幅も1300mm程度なっていますが、これくらいのセミダブルベッド程度の寸法であれば標準体型の大人の方であれば何とか2人で寝ることはできそうです。

高さに関していえば、そもそもワゴンRを購入して、その車で車中泊をしようというのですから我慢を強いられることは当たり前だと思ってください。

ワゴンRはあくまでも軽自動車ですからいくらトールワゴンだからといっても劇的に面積が広いわけではありませんし、空間的にもそれほど広く感じません。

なので、快適性を求めるというよりは最低限の車中泊環境を作ることができるといった程度と思った方がいいでしょう。

フルフラットにならない

これもやはり軽トールワゴンにカテゴライズされているからでしょうか。とにかくシートアレンジが車中泊向きではないようです。

車中泊をするのにベストなシートアレンジといえば、頭から足先まで真っ平状態、フルフラットな状態ですが、ワゴンRのシートアレンジにそうなるパターンがありません。

しいて車中泊に向いているシートアレンジといえるのが…

・フロントシートのヘッドレストを外してシートバックを後ろに倒すパターン

・助手席の座面を跳ね上げたところに前倒しにしたシートバックを収める、そしてリヤシートのシートバックを前倒しにするパターン

の2つとなりますが、前者はスズキ的にはフルフラットモードとしているものですが、実際にはフルフラットにはなりません。

フロントシートの座面~フロントシートのシートバック~リヤシートの座面まではデコボコはあるもののとりあえず水平に近い形で地続きとなっていますが、リヤシートのシートバックはスペース的に無理があるため、45度ぐらいの角度までしか倒すことができません。

成人の身長をあてはめてみると足を延ばして寝ることを想定しますと確実に斜めになったリヤシートのシートバックに頭や上半身がかかることになります。

このパターンはフルフラットっというよりカウチソファー的な使い方をした方がいいかもしれません。

それからもう1つの後者のパターンですが、こちらはかなり制約がでます。

フルフラットモードのようにリヤシートのシートバックを後ろに斜めに倒すのではなく、前に倒してリヤラゲッジスペースのフロア面と高さをあわせることができるようになっているのですが、助手席のシートバックを前に倒す機能は運転席側には採用されておらず、前倒しにできるのは助手席だけとなってしまうのです。

結果的にこの形で寝ることができるのは一人ということになり、あとは子供か大人が丸まって寝る形で運転席の後ろ側で寝るしかありません。

そして更に助手席とリヤシートの間にかなりの空間ができますのでそれを何かで埋める必要があります。

こういった制約が出てしまうのの当然です、実はこのパターンは長尺の荷物をつくためのシートアレンジであって人が寝るためのもの、リラックスするためのものではないからです。

それに車中泊をするぐらいですからきっと一人ではないでしょう。そうなるとワゴンRにおいて車中泊に向いているシートアレンジは前者のスズキがいうところの「フルフラットモード」ということになります。

かなりデコボコがある

ここではフルフラットにはならない「フルフラットモード」で車中泊をする形で考えていきます。

このシートアレンジですと、フロントシートのヘッドレストを外して、シートバックを後ろに倒すという形でフラット面を作ります。

その際にフロントシートのシートバックとリヤシートの座面の高さはほぼ同じで、繋がり具合もほとんど隙間なく繋がります。

これならマットなどを敷いて寝れば段差や隙間をほとんど感じることはないでしょう。
問題はフロントシートの座面とシートバックの間です。

角度的にはフラットな状態を作ることができるのですが、シートの構造上、シートバックの可倒機能のヒンジが座面よりもはるかに高い位置にあるため、シートバックを後ろに真っ平に倒してもシートバックの高さが約20センチほど高くなってしまうのです。

要するにフロントシートの座面だけが20センチほど低くなるということです。

足元だから気にならないという方もいるかもしれませんが、それは寝始めて数時間の間だけで長時間ネルとなるとかなり気になってくるはずです。

それにフロントシートのシートバックの両サイドにはりだしているサイドサポートや微妙に湾曲しているシートバック中央部分も気になってくるでしょう。

まあ、こういったことは仕方のないことです。

そもそもワゴンRは車中泊をすることを考えた車でないわけですからこういうことがあっても当然です。

あとはこのデコボコをどう対処するのかということが重要なのかもしれません。

ワゴンRを車中泊仕様にするためにやるべき2つのこと

時々車中泊をすることがあるという程度であれば、ちょっとしたマット一枚を敷いて寝ればいいでしょう。

しかし頻繁に車中泊をすることがある、車中泊を伴ったレジャーを趣味とするという方でしたらワゴンRを車中泊仕様車に作り替えるという手はどうでしょうか。

デコボコ対策

前項でも取り上げました通り、いわゆるフルフラットモードにするとフロントシートの座面とシートバックの間で大きな段差が生まれます。

足元あたりになりますので気にならないかもしれませんが、この部分に対策を施すのと施さないのとでは睡眠の質がぐっと変わるはずですので、ぜひとも行ってもらいたいと思います。

用意するのはフロントシート座面の奥行と幅の寸法に合わせた厚み20センチ程度のクッションなどです。

一般的に売られている座布団やクッションを複数枚重ねて作ってもいいですが寝ている時にずれる可能性が高いので、厚みのあるものやあるいはクッションなどではなく、硬質ウレタンスポンジや発泡スチロールなどを寸法や座面の角度などにあわせてカットしたものを用意するといいでしょう。

もちろん運転席用、助手席用として2つ用意します。

寝る時にはそれをフロントシートの座面において、その上にマットなどを引けば、これだけでリヤシートの座面から足元までフラットなベッドスペースを確保することができます。

一方、一人で車中泊をする時に「長尺荷物モード」を利用する場合はリヤラゲッジスペースからリヤシートのシートバック裏まではフラットでいいのですが、リヤシートとフロントシートの間に30センチ程度のすきまができてしまうのでその部分を何かでふさぐといいでしょう。

ベニア板のようなもので橋渡しをしてもいいですが、隙間のすっぽり収まるようなエアクッションとかウレタンスポンジ、発泡スチロールなど隙間専用として用意しておいた方が安定性がよくなります。

あとはその上にマットを引けば完全にフラットなベッドスペースが生まれます。

遮光・プライバシー対策

寝る時は夜で暗くても朝方になるとウィンドウから太陽の光がさんさんと降り注いでしまい、安眠を妨害します。

そしてちょっとのぞき込めばすぐに車内が見え、寝ているところを見られるのもちょっと気が引けます。

このような遮光とプライバシーの保護をするにはウィンドウに対策が必要になります。

対策としてはカーテンをつけるかサンシェードをつけるか、ウィンドウフィルムを張り付けるかということになりますが、ウィンドウフィルムは何かと規制がうるさく、場合によっては違法改造となるためおすすめできません。

それにウィンドウフィルムでは完全な遮光ができませんのでやっても意味がないでしょう。

そうなると必然的にカーテンやサンシェードという方法を取ることになるのですが、ワゴンRでしたらワゴンR専用のサンシェードを吸盤などでウィンドウ全面に貼り付けるという方法をおすすめします。

もちろんワゴンR用に販売されているカーテンやDIYで作ったカーテンをつけてもいいですが、フロント周りのガラスにはいろいろな規制があってカーテンそのものをつけることができない場合もあります。

それに例えばこれが軽ワンボックスワゴンとか軽ワンボックスバンとかスペーシアのような軽スーパーハイトワゴンであればいいのですが、若年層に人気のある軽トールワゴン、ワゴンRにカーテンがついているというだけでかなりガラが悪い車に見えてしまいます。

車種専用のサンシェードですと完璧な遮光をすることができますし、もちろん外からのぞかれることもありませんし、取り付け・取り外しに関しても吸盤やワイヤーを隙間に挟むといった方法を使っているので非常に簡単です。

ただフロントウィンドウを含めたすべてのウィンドウを覆うとなるとサンシェードもかなりの長さとなりますので収納に困ってしまったり、作業そのものは簡単ですが取り付け・取り外し作業がちょっと面倒になるといったデメリットもあります。

ワゴンRの車中泊にあると便利なおすすめグッズ

マット

ワゴンRだけでなく、RV以外の車で車中泊をするのに必ず必要となるのがマットでしょう。

前述のようにウレタンスポンジなどで段差を極力取った状態でもやはり細かいアンジュレーションやデコボコは残りますので、それを更に平坦化する意味も含めてベッドスペース全体を覆うマットが必要となります。

車中泊用のマットとして販売されているものがたくさんありますが、何もそれにこだわらずに一般的な寝具として販売されているスポンジマットやキャンプ用として販売されているマット、そして建材やDIY用に売られているスポンジなどを利用してもいいかもしれません。

材質や硬さなどは寝る人の好みによるところですのでここであえて指定はしませんが、厚みだけは厚めのものを選ぶようにしましょう。

最低でも8cm以上、できれば10cm以上のものがいいと思います。

8cmよりも薄いとシートのデコボコやつなぎ目、アンコとしていれてあるものとのつなぎ目を背中で感じるようになってしまい、寝心地の悪化を引き起こしてしまうので、マット下の形状を感じないぐらい厚みが欲しいのです。

LEDランタン

それから充電式のLEDランプ、LEDランタンなどもあると便利です。ワゴンRには2つのルームランプが付けられています。

1つはルームミラーのすぐ後ろ、左右のサンバイザーに挟まれる形でマップランプ、そしてもう1つはルーフ最後端、リヤハッチとの境目あたりにラゲッジランプです。

明るさとしては前と後ろはそこそこ明るいのですが、車中泊をする際に人間が居座るであろうキャビン中央部分が暗くなります

市販されている大光量LEDルームランプに交換するのもですがそれでも中央あたりの手元は陰になって格好暗いのでその部分をカバーするために小さくてもいいですから据え置き型のLEDランタンがあると便利です。

実際にワゴンRで車中泊を経験した人の口コミ、感想

ワゴンRで車中泊をする人などあまりいないだろうと思っていたら、意外と周りにたくさんいました。その方たちに実際に車中泊をしてみてどうだったか聞いてみました。(独自調べ)

 

シートの上にさらにマットを敷いた上に乗るとさすがにルーフの低さが気になります。

 

軽トールワゴンといっても室内高はたかだか125cmぐらい、そこからシートの高さやマットの厚みなどを差し引くと90cmぐらいにしかなりません。

 

男性の平均座高が約92cmですので、寝床を作ってその上に座ると確実に頭がルーフにあたってしまいます。

 

これは軽トールワゴンで車中泊をする上で避けては通れない課題です。

 

 

寝ているときにシートの出っ張りに脛をよくぶつける。

 

これは寝ている人の体格によって多少ぶつけるところが違ってくるかもしれませんが、頭をリヤ側にして寝た時にちょうど太ももから足首にかけての位置にフロントシートのリクライニング機能のヒンジ部がきます。

 

この部分はシートの構造上どうしても仕方のないことなのですが、上方向に大きく出っ張っているため、寝ている最中に寝返りを打とうとした時やちょっと足の位置を変えようとした時にその出っ張りに足をぶつけてしまうことがあります。これも構造的に仕方がないことです。

 

 

首が痛くてどうしてもよく眠れない。

 

家庭のベッドで寝ているような寝心地を期待されてしまうのもちょっとかわいそうですが、確かに45度ぐらいの角度で斜めになったところに頭や上半身を置いて寝るのはかなり厳しいです。

 

特に身長が175cmをオーバーする方ですと斜めになった部分を使わないと足が延ばせないので、寝ている間中ずっと上半身あるいは首だけが斜めになった状態となってしまいます。

 

この状態を回避するには足を曲げて頭をフラットになったところまで落として寝るか、横になって丸まって寝るしかありません。

 

まとめ:ワゴンRで車中泊する場合は1人限定

軽自動車において、車中泊をするとなると一般的には軽ワンボックスカーや軽スーパーハイトワゴンといった車が最適とされ、それよりもキャビンが狭く見える軽トールワゴンや軽ハッチバックセダンでは快適に寝るのは無理だと思っていましたが、こうしてみるとワゴンRでの車中泊も捨てたものではありません。

ただ、やはり完全なフラット状態を作ることができるシートアレンジがないのは厳しいところで、1人であれば長尺荷物モードを活用して約2メートルの室内長をフルに生かすことができるのですが、運転席のシートバックが倒れないことからそれを2人用とすることができないのが残念でなりません。

そういったことを踏まえて考えると、内容としてはプラットフォームを同じとするスペーシアで車中泊をしたのと同じと見ることができ、ルーフの高ささえ我慢できれば、ワゴンRでもなかなか快適な車中泊環境を作ることができる、そしてワゴンRで車中泊をするのは無謀ではない、しかし1人用であるといえるでしょう。